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家入一真×木暮太一対談「人生で“勝つ”ための働き方とは?」

会うのは3回目というお二人。
連続起業家であり、40社以上のベンチャー企業に投資する家入一真氏と、若手経済ジャーナリストの木暮太一氏が考える『仕事観』『人生観』に迫りました。


自分の生活費の最低ラインを知る?


家入氏(以下:家):いまは絶対大丈夫って言うのはない時代。現在働いている場所を飛び出さなくても、働きながら土日や夜の時間を使って、色んな居場所を持つ。居場所を沢山作っておけば、いざ会社が倒産したとしても自分だけは生きて行ける。そういう居場所をつくっていこうって話はずっと言っています。

木暮氏(以下:木):リスクへッジというか、一つがダメになってもまだ他に残っているものがあれば一気に死ぬことはないので安心できる。自分の保険という意味でも機能するので、その考えには賛成ですね。

:それは本当に大事。いくらお金があっても、居場所がなくて病んでしまう人はいるし、お金が何もなくてものほほんとしていられる環境があればそれはそれで良いかもしれないし。そう考えると居場所はとても大事。

:元博報堂の社員だった方にお伺いした話なんですが、会社をやめるときに、自分がいくらあったら生活していけるかということを計算したそうです。それで、9万円あれば生きられるという結果が出たそう。自分の最低ラインの生活費を知ることで、焦ったり、追い込まれたりする感覚がずいぶんと減るそうです。

:そこで僕が大事にしているのは、絶対に削れないお金ってあると思うんですよね。

:一般的には贅沢品であっても、自分に取っては必需品っていうは絶対に譲らず、譲らない中でいくらあればいいのかを計算する。

:家入さんだったらビール代は絶対削れないと思いますし、それを削ったら幸せになれないのでビール代は確保しなきゃいけないと思うんですよ(笑)。

家:そのとおりです(笑)。そして、自分で決めなきゃいけないというのも大事です。
「実家に帰ればいいや」と思っている人と、「絶対に実家には頼れない」という人じゃ「最低ライン」は変わるはず。自分の感覚で決めていかないといけないんですね。


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“勝つ”ためのワークライフバランスって?


:新入社員研修とかで話をさせてもらったときに、「ワークライフバランスってどうなっているんですか」と質問されることがあるんですが、「20代はがむしゃらに働く時期でしょう」と僕は思っています。これを言うと、ブラック企業支援者みたいに叩かれるんですけど、がむしゃらに働く時期って言うのは必要だと思っていて、僕自身もサイバーエージェントにいたときはがむしゃらに働いていましたし、それが今の糧になっています。


:僕の場合「夢とか持たなくて良いよ」って話していて。中途半端に夢をもって、夢のことばかり考えて前に進めない人が沢山いる。とりあえず今やるべきことをやっていったら、あとは点がつながっていく。最初から遠くばかり見て歩けなくなるよりは、とりあえず今やるべきことをがむしゃらにやるしかないって僕は思います。


:次に僕がよく聞かれるのは「何をやっていいか分かりません」「好きなことがありません」といったこと。僕は趣味がないので仕事が好きっていう状態。「休みっていつですか」と聞かれると「休みってよく分かりません」となる。


:僕も、やりたいことをやっているかと言われると、あまり考えたことがない。仕事が趣味っていうとかっこ良いけど、仕事なのか趣味なのかよく分からない状態で潜り込んでやっている。

:やっぱり「仕事」=「ツラい」、「遊び」=「楽しい」って思うから、一週間のうちの土日を分けたくなってしまうんですよね。月曜日に自殺が多いのも、土日のうちに仕事を忘れたくなるから、月曜日になって死にたくなるんですよ。でも僕なんかは今日が何曜日か分からないので、死にたくはならない。

:そもそも「やりたいことを仕事に」って、そんなのないですよ。ある人がいるのも事実だけれど、自分で仕事を作って行く訳だから、楽しくするのも自分次第。今働いている状態で、やりたいことがないのであれば、とりあえず今いる居場所で、何か面白いことを見つけてみなよ。と思いますね。すぐ外を見ちゃうのは良くない。


遠すぎる夢は持たない。今日のうちに一歩進んでみる。


:夢を持つことは僕は良いなと思っています。けれど、夢が遠すぎるとそれがリアルにならない。イメージが出来ないからやる気が湧かない。リアルじゃない夢をいつまでも持っていても、本当に夢で終わるので、やりたいことがあるんだったら、今日のうちに一歩進んでみる事が大切だと思います。一歩進んでみると、これが失敗だったというのも分かるし、次に何をしたら良いかが見えてくる。

:大学時代に、ワードで執筆をして、大学のプリンターで印刷した本を、近くの本屋に自ら営業して売った経験があります。今考えれば大失敗なんですけど、それをしたことで、次に何をしたらいいかがわかってきた。

:サイバーエージェントでは出版部門を担当していたが、担当することになったキッカケは、この学生時代の経験があったから。これがなかったら出版事業を任せてもらえなかった。それに今こうして作家にもなっていなかった。

:無駄に思えることでも一度やってみると、夢がリアルになってくる。僕はそもそも作家になりたかったわけではないが、結果として色んな道が開けた。


:僕の所にも「会社立ち上げようと思うんです」などと言う子が結構来る。「じゃあ、そのために何をやっているの?」と聞くと「これからやること考えているんです。」と。

:会社は、作ろうと思えばあっという間にできる。会社を作るのは手段であって目的ではないという話もあるけれど、僕はやることがなくても会社を作って良いと思う。会社を作れば箱が出来る。その中に何を入れれば良いか考えながらズルズルするよりは、会社を作るのは事務的な手続きなので、何かやりたいことが見つかった後に2週間かかるより、ひとまず会社があれば何かやりたいことが見つかったときにすぐできる。単純な事務作業は先にどんどんやってしまえば良いと思う。

:代表取締役社長っていう名刺を持つことで、自信を持つ人もいる。それが人を変えていくことがある。何やるか決めてなくても良いから、会社を作ったら良いじゃんというのはよく言います。


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もっと無責任に何かやってみる。


:サラリーマンでいる場合は、仕事を辞めて会社を作るっていうことですか?

:ひとまず飛び出せという意味ではなく、今の生活があるわけじゃないですか。「本当にやりたいことが見つかって、会社を作って、そっちの会社で頑張るので辞めます」っていうのは潔い良いし綺麗だと思う。でもそんなに綺麗じゃなくてもいいじゃん、と思います。働きながらだって出来るし、何かを取るために何かを捨てるっていう発想は、追い込まれたときに最終的に取る手段だと思っているんですよね。

:「俺はこれをやるためにこれをやめます」って美談として語られるけど、僕はそんな美談だとは思っていなくて。別に捨てる必要なかったんじゃないのと思う。「二兎を追う者は一兎をも得ず」じゃなくて、二兎を追う者はもし二兎取れたら、その人は四兎も六兎も取れると思う。

:好きなことをやるのに行動し始めるのは大賛成なんですけど、今まで稼いでいたものが無くなってしまうと、一気に追い込まれるんですよ精神的に。精神的に追い込まれた状態が楽しい訳がない。僕はすごくチキンなので、明日の収入が無くなると考えた瞬間に身体が硬直するんですよ。

:将来の仕事がもう見えてきて、サラリーマンになったときに本の執筆の依頼があり、本の印税で2〜3年は食べて行けるという目星がついたので、仕事を辞めた。なので、いきなり仕事を辞めるのは僕は反対です。

:そうですね。やってみて違ったらやめたらいい。無責任で良いってよく言っていますけど、日本特有なのかもしれないが責任を求めすぎているように感じる。人に対しても自分に対しても。

:もっと無責任になにかやってみて、違ったらなんか違った、でやめていいじゃないですか。やるからには責任を負わなきゃとか、1回やった以上最後まで責任取れよ、とか。そういうのを考えだすと最初の一歩が踏み出せないんですよ。


潰れちゃうくらいだったら逃げる、別の道を探す。


:家入さんのFacebookやTwitterで書いている「潰れちゃうくらいだったら逃げてこいよ」って、僕はすごい大事な考え方だと思う。今やっている自分の立場上やめられない、とか立場上できないとか、そういうのに縛られて次の一歩が踏めないのであれば、逃げちゃえば良いと思う。

:すごく単純な話で、ライオンを目の前にしたときにウサギって逃げるじゃないですか。立ち向かわないですよ絶対に。僕らはウサギみたいなもんじゃないですか。弱くて。だからライオンのような会社の残業命令だったり、学校のいじめだったり、圧倒的な暴力を目の前にしたときに、逃げなくてどうするのって思う。足がすくんで逃げられないのかもしれない。けれど逃げないと食べられるわけで、病んじゃって死んじゃう訳ですよ。

:それはあまりに不幸すぎる。責任感をすごく持つ人が病んでしまったり、「そんなのどうでもいいじゃん」っていうところで逃げられなくなっている人が結構いる。なので「逃げちゃえば良いじゃん」と僕は思います。

:簡単に1日で逃げてしまうのはよくない。もうちょっと踏ん張るべき。だけど自分が耐えられないくらい追い込まれるのであれば、別の道を探すべき。そのために僕が考えているのは、常に第二の選択肢を自分の中で持つこと。一つしか選択肢を持っていないと、ものすごく不利なんです。交渉の場でも、経済学的にも理論があって、ことが進むにつれてどんどん相手が有利になり、自分が不利になって行く場合、自分に他の選択肢がないから。

:会社で頑張るのはもちろん大事なのですが、その会社でしか使えない知識ばかり増えて行った結果、自分に選択肢が無くなってしまう。他の会社では役に立たずになってしまう。そうなる前に、第二の選択肢、第三の選択肢を持って、一つ折れても次があるよって言うのを自分の中で安心材料として持っておくことが大事。

:第二の選択はその周辺領域で持てば良い。例えば経理の場合、社内経理をやっているんだったら、今度は連結会社の経理を担当した際に、チャンスがあればすぐに手を上げられるようにしておくだとか、アメリカの公認会計士の勉強をしておくとか、その周辺領域で色々あると思う。

:必ずしもフィールドを変えるっていう話ではない。そうなれば逃げでもなんでもなく、自分の領域をどんどん拡大していくように責めていける。


:僕はどんな職業でも職種でも、クリエイティブになれると思っている。今やっている仕事をちょっと背伸びして、例えば経理だったら「効率よく集計できる仕組みを考えてみる」とか、人事だったら「遅刻を減らすためにどうしたらいいかを考えてみる」とか。

:今やっている領域にプラスで「もっと効率よく」とか「楽しくする」とか、そういったことって出来る訳じゃないですか。職種は関係ないので、その人だけの武器になる。経理の人は沢山いるが、「経理」プラス「経理をもっと面白くして行くことができる能力」ってその人しか出来ないから、会社としても辞められたら困る。


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疲れないようにする。


:人ってすぐに病んじゃうし、すぐ死んでしまうもの。疲れちゃうとすぐ人は病んでしまう。なのでいかに自分が疲れないようにするかが大切。もちろん人に迷惑をかけるのはよくないが、そもそも人は生きている以上迷惑をかける生き物だと僕は思う。迷惑をかけるのは仕方が無いから、そのぶん人の迷惑を許してあげたら良い。そのくらいの心持ちで働いて、いかに自分が疲れないようにするかが重要。だからといって怠けてもよいってわけでもないが、責任や世間の目を気にせずに、わがままに自分の居場所を作ってみる。

:会社に迷惑がかかかるとか、先輩にお世話になったからとか言うが、先輩は一生面倒を見ていてくれるわけではない。会社だってそう。だったら、迷惑がかかっても逃げるべきだし、そうやって死なないようにしながら色んな居場所を作って行くのがこれからの生き方かなと思う。

:カイジを書いている福本さんは「人生には快楽がある。ただ快と楽は違う」と言う。快は「充実感や達成感を味わえる喜び」。自分がやりたいことに向かって一生懸命頑張って、それを達成したとき嬉しさ。楽は「ビール飲んだり、エネルギーを使わない」こと。

:快楽はどちらもプラスの意味だけれども、内容が違う。人間は「楽」を目指しては行けない。「楽」を目指すのは一時的にはいい。エネルギーを使わず、横になってビールを飲んでいれば良い。だが絶対に飽きるしお金が尽きる。現実的にその喜びを維持することが出来ない。

:一方で「快」を目指すと、喜びが尽きない。永遠にボスキャラを倒すみたいに、自分で設定をして、頑張って行けるものだと思う。そのレベルは個人によって差があっても良い。家入さんみたいに上場することが目標、と設定しても良いし、自給自足で生きて行くっていうのに設定しても良い。ただ、「楽」を目指して生きていると、可能性も減って行くし自分が小さくなって行く。

:なので「快」を目指して行動し、楽しそうなものを見つけてやってみる。楽しくなかったら辞めれば良いが、楽しかったらどんどん突き詰めて行って、結果的に毎日が充実しているような、休日もないみたいな状態になって行くと本当に疲れないし、精神的に充実するので、そこをぜひ目指してほしい。


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